THE WORLD IS YOUR OYSTER

” the world is your oyster = 世界はあなたのもの”を実現したいアラサーのブログ

お年寄りに席を譲ったら…

数日前、某SNSでシェアされていたこの記事。


バスに乗ってきたお年寄りに席を譲ろうとしたら「ふざけるな!」「マニュアル通り」「嫌々なことくらい分かる」などの予想外な言葉を浴びせられ、困惑したという中学生のお話です。

これに関して、様々な反響があったと思いますが、シェアされていた方は「相手の状況を察せずにマニュアル通りに対応したのが良くない。」という趣旨のコメントを添えていました。元記事の最後にも「正解のない問題」というコメント。しかし私はそれらのコメントに正直かなりの違和感を覚えました。

この記事を読むに、中学生は嫌々席を譲ったようには思えません。本当に「マニュアル通りの対応」しかできない中学生が、周りに人がたくさんいる中見ず知らずのお年寄りに笑顔で声をかけられるでしょうか?私が中学生の頃は、同じ状況に置かれても恥ずかしくてなかなか勇気が出ず、声をかけることはできませんでした。

確かにこのおじいさんにも言い分はあるのでしょうが、認知症精神疾患を患っているのでなければ中学生にそんな辛辣な言葉を浴びせたことは擁護しきれません。暴言を吐かれたわけでもないのですから、1人の大人として教えたいことがあったならば、感情的にならずにもっと紳士に対応すべきです。

「席を譲られるとバカにされたように感じるお年寄りもいる」という意見もありますが、それは本来言われた側が消化すべきことです。善意で声をかけてもらったことにイライラしたり戸惑ったりしたからといって、それを相手のせいにして怒りをぶつけることが大の大人の対応といえるでしょうか?

相手の置かれた状況を察することは大切です。しかし見た目だけでは察しがつかないこともたくさんあります(妊娠初期の妊婦さんがまさにその例)。
「よろしければお席に座りますか?」「大丈夫ですか?」「いや、大丈夫だよ、ありがとう」
この程度の確認の会話など10秒もかからないのですから、個人差も大きく不確かな推察を磨こうとするよりも、コミュニケーションを怠らないように心がけるほうが重要なのではないでしょうか?

the world is your oyster

このブログのタイトル"the world is your oyster " 

 
私がこの言葉に出会ったのは、牡蠣の遺伝子情報を提供しているOysterBaseというサイト。
 
研究に必要なデータを探そうと教授に勧められたこのサイトにアクセスするとまず目についたのは左端の牡蠣のイラスト。次いで右端の文字列"the world is your oyster " 。
 
世界はあなたの牡蠣…?
 
まぁ製作者たちも牡蠣だけのゲノムデータベースを作ってしまうような人たちなんだから、これくらいのことは書きたくなるのかもしれない。それにしても大袈裟だし意味不明。天才研究者と変態は紙一重ってこういうことか…。
 
などと考えているとその文字列の下には“Shakespeare”の名前が。
 
シェイクスピアと牡蠣。思いもよらぬ組み合わせに謎は深まるばかり。現代っ子の私はさっそく新しいタブを開き、検索窓に"the world is your oyster " と入力しました。
 
するとこの言葉はシェイクスピアの作品『ウィンザーの陽気な女房たち』の台詞から来たものであることが分かりました。
 "Why, then the world's mine oyster. Which I with sword will open"
と言って、あなたが断るなら私は(世界を牡蠣にみたてて)牡蠣の口を刀でこじ開けよう。すれば世界は私のものだ。

The World is your Oyster : masakiが必死に考える

 
そこから転じて、"The world is one's oyster"という言葉が生まれたそうです。"the world is your oyster " なら“世界はあなたのもの”。原作の強気なイメージとは裏腹に、肯定的で優しい言葉ですね。
 
私たちは普段、「世界があって、そこに私がいる」という認識でいることが多いように思います。しかしこの言葉の意味を考えていると、「世界を作っているのは私」なのではないかと思えてきました。
 
例えば挨拶をされたのに無視されたとき。「無視された。あの人は私のことが嫌いなんだ。」ととるか、「たまたま気がつかなかっただけだろう」ととるか、「元気が無いのかな、大丈夫かな」ととるかは全部自分次第。それによってそのときの気分もだいぶ変わります。
 
私たちは目の前で起きたことや自分の気持ちを認識することを繰り返しています。そうして認識した事象や気持ちの集まりが、私たちが作った“世界”なのではないでしょうか。ならば“世界”は自分の認識次第でどうにでも変えらそうです。まさに“世界はあなたのもの”。そう思うと、少し自由になれた気がしました。
 
以来、私の座右の銘になった"the world is your oyster " 。
 
まだまだ周囲の目を気にして世界を手放しそうになってしまうお年頃。でもいつか本当に世界を自分のものにできるまで、私の試行錯誤は続きます。