THE WORLD IS YOUR OYSTER

” the world is your oyster = 世界はあなたのもの”を実現したいアラサーのブログ

PMSと低GIとQOL

最近は日本でもPMSの認知度が高くなってきていますね。“PMS”とは“月経前症候群”のことで、その症状は生理前のイライラや不安感、憂鬱、頭痛、むくみなど様々です。詳しくは下記のサイトに分かりやすくまとめられています。
 
私も以前はこのPMSにだいぶ悩まされていました。生理前はしょっちゅうイライラしたり悲しい気持ちになったり、とにかく感情の波が激しくて日常生活にも支障が出るほどでした。PMSが終わったら終わったで、「あぁ、あと2週間もすればまたPMSが始まるな…」と憂うつに思うこともしばしば。
 
ピルを飲むことでPMSの症状が改善されるということで、ピルも試しました。ピルの飲み始めには副作用がつきもの…というのは覚悟の上でしたが、薬との相性が悪かったのか、毎日憂鬱だしみじめな気持ちになるし、副作用の辛さはPMSを上回るものでした。
 
それでも慣れれば良くなるだろうと思い服用を続けること数ヶ月…副作用は落ち着いたものの特に症状に変化は無し。そういえばPMSが無かった気もするし、いつもより症状の出始めが遅かったり早かったり長引いたりしたこともあったかもしれない。そんな程度。
 
そこでなんとかPMSを改善できないかと思い調べたところ、ピルにはたくさんの種類があり、出やすい副作用や効果が異なるということが分かりました。(ピルについての詳しい情報はこちら→ピルとのつきあい方
 
ということでPMS治療をしてくれる病院へ行き、改めて相談してみることに。その結果、メンタル面の症状がひどい私には最初の病院で処方されていたピルは合わないことが判明。別なピルを処方されました。
 
また血糖値の乱高下はメンタルを不安定にするということで、普段の生活では血糖値が急上昇するようなものは食べないようにとアドバイスされました。この“血糖値の上がりやすさ”が“GI値”で、GI値が高いほど血糖値が上がりやすいということになります。(GI値についてはこちら→低インシュリンダイエット GI値
 
そこから始まった私の低GI生活。ケーキ?食べません。クッキー?食べません。白米?食べません。PMSから開放されたいという祈りにも近い気持ちから、GI値にはかなり厳しい生活をしていました。義務感というか、もはや恐怖に近かったと思います。ちょっとしたお菓子をもらったり外食に誘われたり、そういうことがあるたびに「血糖値上がっちゃうな…」ということを気にしてしまい、イマイチ楽しめない自分がいました。今思えばPMSをなんとかしたいがためにQOLをかなり犠牲にしてしまっていました。
 
ではそれでPMSの症状は良くなったのかというと、特に変化はありませんでした。辛いときは辛いしそういえば今月無かったなというときもある。ピルを変えた効果があるのか、正直よく分かりませんでした。
 
実は自分でも薄々気がついてはいたのですが、その時の私にはPMS以前に解決しなければならない問題がありました。詳しいことは述べませんが、PMSの症状が現れたくらいから始まったショッキングな出来事からまだ立ち直れていなかったのです。私はそれをPMSのせいにして、目をそらしてきていたのかもしれません。
 
たまたま見つけたTEDのPMSに関するプレゼンが、そのことを裏付けてくれました(動画は英語ですが、アプリだと日本語字幕もあります)。
 
The good news about PMS

Robyn Stein DeLuca: The good news about PMS | TED Talk | TED.com

 
ざっくりいうと、「生理周期よりもそのときの出来事などのほうがよっぽど気分に影響する。PMSは女性にとって便利な言い訳になるが、それは女性から自分が抱えている問題と向き合う機会を奪ってしまう。」というような結論になっています。
 
まさに私が感づいていたことと一緒でした。PMSを自覚して早2年、ピルを服用してからも早2年…この2年間の間に、過去のショッキングなできごとからも立ち直り、今となっては「そういえばPMSなんてあったっけ」という感じです。GI値の高いケーキを食べてもクッキーを食べてもメンタルが不安定になることだってありません。おかげで食事も自由に楽しめています。
 
要はPMSは「コップから水が溢れた状態」なのだと思います。コップには日々のストレスだったりプレッシャーだったり睡眠不足だったり、様々なものが注ぎ込まれます。その注ぎ込まれる要素のうちの1つが生理周期だったり血糖値の乱高下だったりするのでしょう。コップに余裕があれば生理周期や血糖値の変化くらいで水が溢れたりしませんが、コップがいっぱいいっぱいだと生理周期によるちょっとしたホルモンの変化や血糖値の変化ですぐに水が溢れてしまいます。
 
PMSに悩む女性を「そんなのはPMSじゃない」と否定する気はありません。でも、何かあるたびに「PMSだ」と思うようなら、他に気持ちや体調に悪影響を及ぼしている原因がないか考えてみてほしいな、と思います。そこで根本的な問題に気がつければ、今よりも少し快適に過ごせるようになるかもしれません。
 
 

お年寄りに席を譲ったら…

数日前、某SNSでシェアされていたこの記事。


バスに乗ってきたお年寄りに席を譲ろうとしたら「ふざけるな!」「マニュアル通り」「嫌々なことくらい分かる」などの予想外な言葉を浴びせられ、困惑したという中学生のお話です。

これに関して、様々な反響があったと思いますが、シェアされていた方は「相手の状況を察せずにマニュアル通りに対応したのが良くない。」という趣旨のコメントを添えていました。元記事の最後にも「正解のない問題」というコメント。しかし私はそれらのコメントに正直かなりの違和感を覚えました。

この記事を読むに、中学生は嫌々席を譲ったようには思えません。本当に「マニュアル通りの対応」しかできない中学生が、周りに人がたくさんいる中見ず知らずのお年寄りに笑顔で声をかけられるでしょうか?私が中学生の頃は、同じ状況に置かれても恥ずかしくてなかなか勇気が出ず、声をかけることはできませんでした。

確かにこのおじいさんにも言い分はあるのでしょうが、認知症精神疾患を患っているのでなければ中学生にそんな辛辣な言葉を浴びせたことは擁護しきれません。暴言を吐かれたわけでもないのですから、1人の大人として教えたいことがあったならば、感情的にならずにもっと紳士に対応すべきです。

「席を譲られるとバカにされたように感じるお年寄りもいる」という意見もありますが、それは本来言われた側が消化すべきことです。善意で声をかけてもらったことにイライラしたり戸惑ったりしたからといって、それを相手のせいにして怒りをぶつけることが大の大人の対応といえるでしょうか?

相手の置かれた状況を察することは大切です。しかし見た目だけでは察しがつかないこともたくさんあります(妊娠初期の妊婦さんがまさにその例)。
「よろしければお席に座りますか?」「大丈夫ですか?」「いや、大丈夫だよ、ありがとう」
この程度の確認の会話など10秒もかからないのですから、個人差も大きく不確かな推察を磨こうとするよりも、コミュニケーションを怠らないように心がけるほうが重要なのではないでしょうか?

the world is your oyster

このブログのタイトル"the world is your oyster " 

 
私がこの言葉に出会ったのは、牡蠣の遺伝子情報を提供しているOysterBaseというサイト。
 
研究に必要なデータを探そうと教授に勧められたこのサイトにアクセスするとまず目についたのは左端の牡蠣のイラスト。次いで右端の文字列"the world is your oyster " 。
 
世界はあなたの牡蠣…?
 
まぁ製作者たちも牡蠣だけのゲノムデータベースを作ってしまうような人たちなんだから、これくらいのことは書きたくなるのかもしれない。それにしても大袈裟だし意味不明。天才研究者と変態は紙一重ってこういうことか…。
 
などと考えているとその文字列の下には“Shakespeare”の名前が。
 
シェイクスピアと牡蠣。思いもよらぬ組み合わせに謎は深まるばかり。現代っ子の私はさっそく新しいタブを開き、検索窓に"the world is your oyster " と入力しました。
 
するとこの言葉はシェイクスピアの作品『ウィンザーの陽気な女房たち』の台詞から来たものであることが分かりました。
 "Why, then the world's mine oyster. Which I with sword will open"
と言って、あなたが断るなら私は(世界を牡蠣にみたてて)牡蠣の口を刀でこじ開けよう。すれば世界は私のものだ。

The World is your Oyster : masakiが必死に考える

 
そこから転じて、"The world is one's oyster"という言葉が生まれたそうです。"the world is your oyster " なら“世界はあなたのもの”。原作の強気なイメージとは裏腹に、肯定的で優しい言葉ですね。
 
私たちは普段、「世界があって、そこに私がいる」という認識でいることが多いように思います。しかしこの言葉の意味を考えていると、「世界を作っているのは私」なのではないかと思えてきました。
 
例えば挨拶をされたのに無視されたとき。「無視された。あの人は私のことが嫌いなんだ。」ととるか、「たまたま気がつかなかっただけだろう」ととるか、「元気が無いのかな、大丈夫かな」ととるかは全部自分次第。それによってそのときの気分もだいぶ変わります。
 
私たちは目の前で起きたことや自分の気持ちを認識することを繰り返しています。そうして認識した事象や気持ちの集まりが、私たちが作った“世界”なのではないでしょうか。ならば“世界”は自分の認識次第でどうにでも変えらそうです。まさに“世界はあなたのもの”。そう思うと、少し自由になれた気がしました。
 
以来、私の座右の銘になった"the world is your oyster " 。
 
まだまだ周囲の目を気にして世界を手放しそうになってしまうお年頃。でもいつか本当に世界を自分のものにできるまで、私の試行錯誤は続きます。